目標8 みんなの生活を良くする安定した経済成長を進め、だれもが人間らしく生産的な仕事ができる社会を作ろう

継続的、包摂的かつ持続可能な経済成長は、グローバルな繁栄の前提条件です。この目標は、すべての人々に生産的な完全雇用とディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会を提供しつつ、強制労働や人身取引、児童労働を根絶することをねらいとしています。
【日本では】
近年、有期契約労働者やパートタイム労働者、派遣労働者といった非正規雇用労働者は全体として増加傾向にあり、2017年には2,036万人と、雇用者の約4割を占めています。非正規雇用の全てが問題というわけではありませんが、非正規雇用労働者は、雇用が不安定、賃金が低い、能力開発機会が乏しいなどの課題があります。
年間総実労働時間は、減少傾向にあり、近年では1,700時間台半ばの水準ですが、いわゆる正社員等については2,000時間前後で推移しています。また、週の労働時間が60時間以上の労働者割合も、特に30歳代男性で15.0%に上っており、これらの長時間労働の問題への対応が求められています。さらに、仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためにも、多様なニーズに対応した新たな働き方の選択肢を設けることが求められています。
労働災害は長期的には減少していますが、2017年は、死亡災害は978人、休業4日以上の死傷災害は120,460人といずれも前年より増加しています。労働者の健康面については、定期健康診断での有所見率が、2017年には54.1%と半数を超えており、特に脳・心臓疾患につながる血中脂質、血圧等に係る有所見率が増加傾向にあります。自殺者数については、2016年の約2万2千人のうち約2,000人について勤務問題が理由の1つとされているなど、働く人々の職場環境は引き続き厳しい状況にあります。(平成30年版厚生労働白書より)
【世界では】
国際労働機関(ILO)は、世界で約1億5200万人子どもたちが、「児童労働」につ
いていると推計しています。これは日本の14歳以下の全員(1553万人)の約10倍にあたり、世界の5~17歳の子どもの10人に1人にあたります。こんなに多くの子どもたちが劣悪な環境で長時間働かされたり、人身売買によって性的に搾取されたりしていまあす。児童労働についている半数近くの7300万人が、危険な労働に従事していると考えられています。
【ゴールのポイント】
 現実には、失業、危険な仕事と不安定な所得、男女不平等など多くの課題があるほか「現代の奴隷」も問題になっています。すべての人が人間らしい仕事につくには、多くのことが必要です。
【私たちにできること】
・買い物の時、商品がどのように作られているか想像してみる。
・エシカルな企業やお店を応援する。
・仕事に就くとき、社会的、倫理的な面からも考えてみる。