目標13 : 気候変動から地球を守るために、今すぐ行動を起こそう

  温室効果ガスの排出量は、1990年と比較して50%以上増加しています。地球温暖は地球の気候に長期的な変化を及ぼしており、今すぐ対策を講じないと取り返しのつかない結果となります。政治的な意思と幅広い技術を活用すれば、地球の平均気温の上昇を抑えることができるのです。
【日本では】
日本では、世界(100年当たり約0.73℃)より速いペース(100年当たり約1.21℃)で気温が上昇しており、21世紀末には、20世紀末と比較して、厳しい温暖化対策を取った場合(RCP2.6シナリオ)で0.5~1.7℃、温暖化対策を取らなかった場合(RCP8.5シナリオ)で3.4~5.4℃上昇すると予想されています。
近年、気温の上昇、大雨の頻度の増加や、農作物の品質低下、動植物の分布域の変化、熱中症リスクの増加など、気候変動及びその影響が全国各地で現れており、さらに今後、長期にわたり拡大するおそれがあります。2018年の夏、我が国は、西日本の広範囲で発生した「平成30年7月豪雨」や、埼玉県で歴代全国1位の最高気温を更新するなどの記録的な猛暑に見舞われました。また、2019年の台風15号や19号の被害は甚大なものとなりました。多くの犠牲者をもたらし、また、国民の生活、社会、経済に多大な被害を与えました。個々の気象現象と地球温暖化との関係を明確にすることは容易ではありませんが、今後、地球温暖化の進行に伴い、このような豪雨や猛暑のリスクは更に高まることが予測されています。(令和元年版環境白書より)
【世界では】
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書では、気候システムの温暖化は疑う余地がないこと、人間による影響が近年の温暖化の支配的な要因であった可能性が極めて高いこと、気候変動は全ての大陸と海洋にわたり、自然及び人間社会に影響を与えていること、将来、温室効果ガスの継続的な排出は、更なる温暖化と気候システムの全ての要素に長期にわたる変化をもたらし、それにより、人々や生態系にとって深刻で広範囲にわたる不可逆的な影響を生じる可能性が高まることなどが示されています。
また、2018年10月に公表されたいわゆる「1.5℃特別報告書」では、世界の平均気温が2017年時点で工業化以前と比較して約1℃上昇し、現在の度合いで増加し続けると2030年から2052年までの間に気温上昇が1.5℃に達する可能性が高いこと、現在と1.5℃上昇との間、及び1.5℃と2℃上昇との間には、生じる影響に有意な違いがあること、将来の平均気温上昇が1.5℃を大きく超えないような排出経路は、2050年前後には世界のCO2排出量が正味ゼロとなっていること、これを達成するには、エネルギー、土地、都市、インフラ(交通と建物を含む。)及び産業システムにおける、急速かつ広範囲に及ぶ移行(transitions)が必要であることなどが示されています(令和元年版環境白書より)
【ゴールのポイント】
 世界中で気候変動の影響が明らかになっています。台風や洪水などによる災害が多発し、被害額は膨大です。そのリスク管理のために、世界で毎年60億ドルも投資が必要です。地球の平均気温は、産業革命以前の1880年代と比べると1℃上昇しました。2015年国際社会は「パリ協定」を採択し、地球温暖化に取り組むことを約束しました。
【私たちにできること】
・なるべく鉄道や自転車を利用し、歩く。
・日常生活できるエコ活動を考え実施する。