目標10 : 世界中から不平等を減らそう

この目標は、国内および国家間の所得の不平等だけでなく、性別、年齢、障害、人種、階級、民族、宗教、機会に基づく不平等の是正も求めています。また、安全で秩序ある正規の移住の確保を目指すとともに、グローバルな政策決定と開発援助における開発途上国の発言力に関連する問題にも取り組むものとなっています。

【日本では】
日本では、いじめや虐待等の子供の人権問題に加え、インターネットを悪用した人権侵害、障害等を理由とする偏見や差別、いわゆるヘイトスピーチを含む外国人に対する人権侵害、同和問題(部落差別)等の様々な人権問題も依然として存在しています。(平成30年版人権教育・啓発白書)
2018年10月末現在の外国人労働者数は約146万人で、前年同期から14%増加し、2007年に届出が義務化されて以来、過去最高を更新しています。(厚生労働省「外国人雇用状況」より)
日本の障害者の総数(推計)は965.3万人で、人口の約7.6%に相当します。民間企業における障害者の雇用は、雇用者数:53.5万人、実雇用率:2.05%といずれも過去最高を更新しています。一方、就職後1年時点の定着率は、身体障害者:60.8%、知的障害者:68.0%、精神障害者:49.3%であり、就職だけでなく職場への定着支援にも一層取り組んでいく必要があります。(平成30年版厚生労働白書より)
【世界では】
データがある92カ国のうち、50カ国で収入下位40%層が国の平均よりも高い経済成長をしています。しかし多くの国では、上位1%層の収入の割合が増加し、下位40%層は全収入の25%未満しか受け取っていません。
後発開発途上国等は貿易的な優遇を引き続き受けており、2017年は後発開発途上国からの輸出品目の66%の関税が無税です(開発途上国からの輸出品国の51%が無税)。
ほとんどの国では、安全で秩序ある移住を推進していますが、移民の権利と社会経済的な充足を守るためには、さらなる努力が必要です(105カ国中、安全で秩序ある正規移住に関する政策をもつ国は76%、移民の権利に関する政策を持つ国は54%、移民の社会経済的な充足に関する政策を持つ国は57%)。(国連SDGsレポート2019より)
【ゴールのポイント】
 ゴール10は、一つの国の中で生じている不平等と、国と国との間に立ちはだかる不平等をなくす事を目指しています。経済のグローバル化は、先進国と開発途上国の双方で貧富の格差を拡大しています。不平等解消のため、地球規模での取り組みが必要です。
【私たちにできること】
・身の回りにある「差別」や「不平等」を見つける。
・自分が[差別]していないか考えてみる。
・差別や不平等は、どこから来るか調べたり考えてみる。