陸の豊かさを守り、砂漠化を防いで、多様な生物が生きられるように大切に使おう

この目標は、持続可能な形で森林を管理し、劣化した土地を回復し、砂漠化対策を成功させ、自然の生息地の劣化を食い止め、生物多様性の損失に終止符を打つことに注力するものです。これらの取組をすべて組み合わせれば、森林その他の生態系に直接依存する人々の生計を守り、生物多様性を豊かにし、これら天然資源の恩恵を将来の世代に与えることに役立つと考えられます。
【日本では】
   日本では、依然として長期的には生物多様性の状況は悪化している傾向にあります。自然性の高い森林、農地、湿原、干潟といった生態系の規模が著しく縮小し、人為的に改変されていない植生は国土の20%に達していません。外来種の影響が増大することに加え、気候変動による生物多様性への影響が、より明確に現れてきています。(環境省2016年3月「生物多様性および生態系サービスの総合評価(JB02)」より)
   日本の森林面積はほぼ横ばいで推移し、2017年3月末現在で2,505万haで、国土面積3,780万haのうち約3分の2が森林となっています。森林面積のうち約4割に相当する1,020万haは人工林で、戦後造成されたものを中心にその資源を循環利用していくことができる時期に入っているものの、林業経営に適した森林を経済ベースで十分に活用できていない状況にあります。(平成30年度森林・林業白書より)
【世界では】
   現代は「第6の大量絶滅時代」とも言われます。生命が地球に誕生して以来、これまでに生物が大量に絶滅する、いわゆる大絶滅が5回あったと言われていますが、現代の大絶滅は、過去の大絶滅と比べて種の絶滅速度が速く、その主な原因は人間活動による影響であると考えられています。
   2017年12月の国際自然保護連合(IUCN)の世界の絶滅のおそれのある野生生物のリスト(レッドリスト)では、絶滅のおそれのある野生生物は2万5,821種に達しています。また、世界の野生生物の分類群ごとの絶滅のおそれの状況を表す「レッドリストインデックス」では、鳥類、哺乳類、両生類及びサンゴ類の統合指標について、絶滅に向かう方向に数値が大幅に悪化しています。
   世界の森林面積は約40億haで、世界の陸上面積の約3割が森林で占められています。国連食糧農業機関(FAO)によると、1990年から2015年までの25年間で、日本の国土面積の3.4倍に当たる約1億2,900万haの森林が世界で減少しています。森林減少は、南米やアフリカで大きくなっており、人口増加や貧困、商品作物の生産拡大等を背景として、森林から農地への転用等が主な原因とされています。(平成30年版環境白書より)
   世界の土地の5分の1が劣化し、10億人の生活に影響しています。(国連SDGsレポート2019より)
【ゴールのポイント】
 森林は、生物の生息域であるだけでなく、酸素を供給し、土壌をつくり、水を蓄えています。しかし、現在、世界では年間約1300万ヘクタール(日本の面積の3分の1近く)以上の森林が失われており、このままでは、100年後には地球上から森林がなくなるという予測もあります。二酸化炭素を吸収する森林が失われることは、地球温暖化にとっても深刻な問題です。
【私たちにできること】
・ティッシュペーパーや紙を無駄にしない。
・パーム油が使われている食品や製品を調べる。
・持続可能な製品につけられている認証マークのある製品を買う。
・時々森林で自然に触れる。