目標16 : 平和でだれもが受け入れられ、すべての人が法や制度で守られる社会をつくろう

 世界各地で起こっている激しい武力紛争や情勢不安は、その国の開発に破壊的な影響を及ぼし、経済的な成長を妨げるだけでなく、地域社会の長期的な対立をもたらします。法の支配が実現していない場所では暴力犯罪、搾取、拷問などが蔓延し、このような危険にさらされた、弱い立場の人々を保護する措置を行わなければなりません。

【日本では】
 厚生労働省によると、2016年度、児童相談所の児童虐待相談対応件数は12万2575件で、内容は「心理的虐待」が最も多くついで「身体的虐待」「ネグレクト」、「性的虐待」でした。虐待を受けた子どもの年齢は、0~3歳未満が18.8%、3~学齢前が24.7%、小学生が35.2%、中学生が14.1%、高校生などが7.2%で、0歳から小学生までが78.7%を占めています。毎年何十人もの子どもが虐待によって命を奪われており、そのうち家庭が地域から孤立していた場合が40%近くに上ります。そのため、社会的な取り組みによって子どもの虐待死の防止が模索されています。

【世界では】
平和で公正、包摂的な社会の実現にはまだ遠く、近年大きな進展がありません。戦争や迫害、対立から逃れてきた人々は2018年には7千万人に達し、この70年間で最悪の水準です。
殺人の被害者の80%が男性ですが、親しいパートナーや家族が関係する殺人の被害者の64%は女性です。人身売買の被害者の70%は女性と少女であり、そのほとんどが、性的搾取のために誘拐されています。
2018年1~10月に、41カ国で人権擁護者やジャーナリスト、労働組合活動家が397人殺害されたことを国連が確認しました。その被害者の中には91人のジャーナリストとブロガーが含まれています。
世界の5歳以下の子供のうち、73%しか出生登録されておらず、サブサハラ・アフリカでは46%にとどまります。(国連SDGsレポート2019より)
【ゴールのポイント】
 世界には、暴力をともなう紛争にさらされている人々がいます。こうした人々は基本的人権が保護されていません。紛争に巻き込まれ、他国に逃げなければならない「難民」の存在も深刻です。性差別に基づく暴力や子どもに対する虐待、あらゆる形の暴力や拷問などから、人々を守らなけれななりません。
【私たちにできること】
・世界の紛争について知る。
・自分とどうつながっているか知る。
・不公正と思ったことに声を上げる。