飢餓をゼロに

目標2 : 飢えをなくし、だれもが栄養のある食料を十分に手に入れられるよう、地球の環境を守り続けながら農業を進めよう

 

この目標は2030年までに、飢餓とあらゆる栄養不良に終止符を打ち、持続可能な食料生産を達成することを目指しています。また、誰もが栄養のある食料を十分得られるようにするためには、環境と調和した持続可能な農業を推進し、生産者の所得を確保し、農業生産性を高めるための研究・投資を行う必要があります。
【日本では】
 日本は世界第1位の農産物輸入国です。2017年度のカロリーベースの食糧自給率は38%です。
 多くの食料を輸入している一方で、食べられるのに捨てられる食品=「食品ロス」が多く、一人あたり[お茶碗1杯分]を毎日捨てている計算になります。食品ロスは事業系が55%、家庭系が45%です。学校給食での食べ残しも決して少なくないといわれています。しかし、その反面、20人に一人が「1年の間に十分な食料がない状態で過ごしたことがある」という調査結果もあります。
【世界では】
 SDCsの前身であるMDGsの取り組みにより、2000年から2015年の間に世界の飢餓人口は、ほぼ半減しました。ところが、2018年の国連の報告によると、2015年からの3年間は、飢餓は増加し続け、10年前の状況に逆戻りしています。
 この報告では、その理由を、紛争の長期化や景気の悪化に加えて、気候変動による洪水や干ばつなども主な要因になったとしています。「飢餓をゼロに」の目標達成には、気候変動への対応が必要です。
 また、食料は十分生産されているのに、多くの人が飢えているのには、様々な背景があります。現在、生産された穀物のうち、人が食べるのは43%です。36%が牛や豚などの家畜のエサにされます。肉を食べている先進国では、その分多くの穀物を消費していることになるのです。 
【ゴールのポイント】
 ゴール2では、世界全体で食料の生産、分配、消費と食べ方、飢餓と飽食などの問題を考え直す時が来ています。世界が協力すれば、食料を全ての人に提供できます。このままでは、栄養不良の状態にある人口は、2050年には20億人になると考えられています。世界的な食料・農業システムを根本的に変え、農業生産力をあげて持続可能な物にすることが必要です。

【私たちにできること】

・飢餓がなくならない理由を調べる。

・食をめぐっての紛争を調べる。

・肉を少なく、野菜を多く食べる
・なるべく近い産地の食品を選ぶ
・自分で調理する
・食べ物を残さない
・生語ゴミを活用して堆肥にする