目標9 : 災害に強いインフラを整え、新しい技術を開発し、みんなに役立つ安定した産業化を進めよう

この目標は、国際的、国内的な金融、技術支援、研究とイノベーション、情報通信技術へのアクセス拡大を通じて安定した産業化を図ることを目指しています。

【日本では】
世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表している国際競争力指標によれば、日本のイノベーションランキングは2016-2017年版の報告書では、2015-2016年版の5位から順位を下げて8位となっています。「企業の研究開発投資」、「科学者・技術者の有用性」及び「特許協力条約に基づいた特許申請」では高い順位となっている一方、「イノベーション能力」及び「研究開発における産学連携」が上位10か国と比較して低い順位です。
我が国のイノベーションの課題としては、(ア)顧客価値の獲得に関する環境変化への対応の遅れ、(イ)自前主義に陥っている研究開発投資、(ウ)企業における短期主義、(エ)人材や資金の流動性の低さ、(オ)グローバルネットワークからの孤立が挙げられており、これらの課題を解決し、イノベーション創出をしていくためには、オープン・イノベーションの推進が重要だとされています。しかし、自社単独のみで研究開発する企業の割合は61%となっており、半数以上の企業で10年前と比較してオープン・イノベーションが活性化していないとの分析もされています。
とりわけ重要となるITやデータを扱うスキルについては、「IT人材最新動向と将来設計に関する調査結果」(経済産業省委託調査)によれば、IT人材の人材不足は今後ますます深刻になると予測されています。IT人材全体として2030年に約59万人(中位シナリオ)が不足、最大約79万人(高位シナリオ)まで不足するとの調査結果が出ています(通商白書2017より)
【世界では】
 第4次産業革命の中核的な技術は、①社会の中の様々な情報がインターネットにつながる「IOT」(Internet of Thing)②膨大なデータを集めて分析する「ビッグデータ」③自ら学習するAI(人工知能)④複雑な作業を自動でできる「ロボット」です。
 第4次産業革命は経済活動だけでなく医療や人々の働き方、ライフスタイルも変える可能性があります。同時に、人間に代わってAIが制御するので、多くの人が仕事を失うという見方もあります。
【ゴールのポイント】
 社会資本が整っていない国々で、社会の基盤となる水や電気、インターネットなどが整備されれば、企業の生産性が上がるだけでなく、人々の福祉にも役立ちます。持続可能な開発には、新たな産業をおこしていくことが大切です。そのためには、新しい価値を創造する「イノベーション」が必要です。
【私たちにできること】
・新しい技術で、貧しい国で何ができるか考えてみる。
・地球環境に配慮したイノベーションについて調べてみる。